前回 トピックにしたアラカシ・アカメガシワ・エノキ・カクレミノ(ミツデカシワ)・クスノキ
などの雑木に加えて、この時期ニョキニョキと生長しはじめるのがウルシ系の雑木。
いわゆるかぶれる木、または被れる可能性のある木です。
現地に生えるウルシ系の雑木
ハゼノキ(ウルシ科ウルシ属・落葉樹)

ハゼノキ(ウルシ科ウルシ属・落葉樹)
現地では多く生えてくるウルシ系の木です。
毎年対処しているのですが鳥が種を落とすのか、
敷地内には毎年幼木が相当な数のハゼノキが現れます。
対策の対象樹種です。
ウルシ(ウルシ科ウルシ属・落葉樹)

ウルシ(ウルシ科ウルシ属・落葉樹)
数はそれほど多くないですが、幼木がたまにあります。
対策の対象樹種です。
ヌルデ(ウルシ科ウルシ属・落葉樹)

ヌルデ(ウルシ科ウルシ属・落葉樹)
ウルシによく似ていますが、被れることは稀だそうです。
葉軸に翼がある。
虫こぶがある。
という点で視覚的に違いを見分けることができます。
現地にはかなりあちこちにありますが、ヌルデはそのままにしてあります。
ウルシ系樹種に似た現地の樹種
素人の筆者にとっては羽状複葉の植物はどれもウルシ系と疑ってしまうのですが、
実はよくよく調べてみると似て非なる樹種が現地にはいくつかあります。
これらは全てそのままにしてあります。
カラスザンショウ(ミカン科サンショウ属・落葉樹)

カラスザンショウ(ミカン科サンショウ属・落葉樹)
ノダフジ(マメ科フジ属・落葉つる性木本)

ノダフジ(マメ科フジ属・落葉つる性木本)
かぶれ覚悟で根こそぎ抜く
この時期は幼木も若木もそれほど大きくなく、
葉の広がりも小さいため根こそぎ抜き取ります。
いちいち剪定ばさみなどで切っていると
根が残る→すぐタケのようにその上から芽がでます。
樹液がつく可能性大→樹液がつかないようにするには刃物は出来るだけ避ける。
というリスクが残ってしまいます。
作業時の服装
作業するにあたっては肌がでないよう長袖シャツ・長ズボン・手袋着用がマストです。
今回筆者は防水性の高いコロンビアの「シンプソンサンクチュアリレインスーツ」を着用。
除去対象
・ハゼノキ
・ウルシ
・木にからみついたノダフジ→既存の樹木を守るため
除去方法
ハゼノキやウルシは幹の上に枝葉をつける習性があることから、
発見しやすく引っぱり抜くには作業がし易い樹形。
見つけ次第、枝葉のないところを握って、一気に引っこ抜いていきます。
ハゼノキやウルシは枝部分が弱いので、幹を掴んで抜くのベストです。
ノダフジはつる性木本のため、からみついた木から本種をほどきます。
そしてひっぱっていくとどんどん木からツタ部分が外れ、
地中からは根やその先の枝葉も全てとることができます。
100本以上を人力で撤去
毎日午前中に山へ入って撤去作業を行いました。
2日間で抜いたハゼノキとウルシは100本以上。
ノダフジは多分50m分近く引っぱり抜いたと思います。

手で抜いて集めたハゼノキ
手の届かないところは除草剤で対処
最後に手で届かないところや、急なのり面などにあるハゼノキとウルシは除草剤で対策。
除草剤はラウンドアップのジェネリック薬品、グリホエース(株式会社ハート製)。
いつものように30倍程度に薄めて噴霧(効果はこちら)。
でも結局かぶれた
完全防備だったつもりでしたが、今年も軽度ながらかぶれてしまいました・・・。
ウルシ系の雑木によるかぶれはじめ
作業の数日後、左腕の皮膚にちょっと発赤とやや痛み・痒みが発生。
すぐに漆かぶれを疑い、以前処方された軟膏薬「ボアラ」を塗布(ウルシかぶれのレポートはこちら)。

数日後、発赤。少々痛みと痒みあり。ウルシかぶれの前兆と判断。
ボアラを塗布して処置後
かゆみは落ちつきましたが、赤色は少々広がりつつあります。
今回は掻いて出血するというほどひどくはなりませんでした。
写真はボアラを塗り始めて3日後。

掻いてしまったためか、一部出血の跡がありますが痛み・痒みは治まりました。
その後
その後、痛みも腫れもひいていきました。
ボアラの塗布も終了。
しかし腫れたところの見た目が痛々しい…。
傷痕は時間とともに次第に消えていきます。
まとめ
ハゼノキやウルシは放置するとどんどん生長して大きくなります。
筆者をはじめ、うるしかぶれの人には手がつけられなくなってしまいます。
従って若木や幼木のうちに対処しておくことが大切です。
現地では、毎年この時期にハゼノキ・ウルシの一斉除去を定期作業としています。