元々ボロボロだった引戸(板戸)の痛みが進行してしまい開閉困難に。
今回DIYで修理することにしました。
今回修繕するのは筆者が一人で作業部屋のひとつとして活用している部屋の入口。
1.現状
ご覧の通り、かなり痛んでいます。
引き手が両側にある引戸
この扉、不思議なことに引手が左右2か所に。
屋敷ではリサイクルされた材や建具があるので、この引戸もその一つかもしれません。
鍵が2ヶ所
蔵の扉のように板戸の下側鍵穴があり、裏には落としもちゃんとついています。
今も問題なく機能します。

引戸(板戸)についていた落とし
さらに板戸の中段付近左には柱に取り付けられた錠前も。

引戸(板戸)についていたスライドさせてロックしていた鍵
柱側の金具をスライドして鍵を掛けるようです。
こちらも一応動きますが鍵はありません。
2.修繕準備
扉の清掃を終えて、戸枠から引戸(板戸)を取り外します。
前回の作業を経て、やっと扉がスムーズに取り外せるようになりました。
壊れている部分の取り外し
外した板戸(引戸)は作業テーブルの上に置き、既存の板材・鍵・釘などを外していきます。

板を外した引戸(板戸)の表側
出来るだけオリジナルを残したいので、
バール・ハンマー・ネジザウルスPZ-58Pなどで各桟・框を傷めないよう作業します。

板を外した引戸(板戸)の裏側
裏桟は一部が割れていた上に、横桟と裏桟との間に虫の巣みたいなものが。
全て撤去・清掃し、ここには新たな裏桟を用意することに。

壊れていた裏桟
戸車
車輪付近を掃除。
まだ十分動きます。

車輪は音がうるさいのですが、正常に動くのでそのまま使い続けることに。
落としと鍵
落としも問題なかったので清掃だけ。
以前落としが落ちないよう木が組み込まれていたので、そのままの状態にしました。

鍵の落としは正常でした。
竪框にあった鍵。

板戸の竪框中段あたりにあった鍵
板張替作業で邪魔になるので、今回は一旦撤去。

撤去した竪框についていた鍵
基本的にはオリジナルへの復元がゴールですが、
鍵の復元までは自信がないので、今回この鍵は別途保管することに。
ところで作業中、横桟から文字を発見。各桟に書かれていました。

横桟に記載されていた文字
こういうものを見ると、建具はボロでも粗末にはできない気持ちになります。
ここまでの作業で、2時間以上。手間と時間のかかる作業した。
作業概要
作業人数・作業時間
いつも通り1人でDIY、作業時間は約2.5時間(※)。
※清掃・状況確認などの時間も含む
道具
・バール(土牛 マイティバール・角利 インテリアバール 180mm)
・金槌+当て木
・ネジザウルス・・・エンジニア ネジザウルスGT(PZ-58P)
・集塵機・・・マキタ モデルM420
材料
なし
難易度(手間の程度)
★★★★☆
古釘外しは周辺の桟や框などを傷めないよう、複数のバールを交互に使用。
いつも通り、解体の作業はとにかく手間でした。
時間と労力がかかりましたが、次回の作業イメージも固まりました。
次回は新しい板戸張りです。
建具職人がいない
本来は建具職人さんに依頼したいところなのですが、
現地周辺でなかなか相応しい人がいない・・・。
材木屋さんに尋ねても取引のあった建具職人さんは概ね、
他界したか高齢で引退したかで古い建具の修理をする人がいないのだとか。
もう慣れましたが、現地ではこういったことはよくあります。
筆者も何人かはあたったものの、工賃があいまいだったり出来るのかどうか怪しかったり。
職人さんを探す手間や時間を考えると、
すぐ修理が必要ということもあって今回は自らチャレンジします。